裏面ワールドトリップ
私たちが乗る装甲車両と言うのは、鋼鉄のような素材で出来た簡素な馬車風の乗り物であった。
車体の左右に1つずつ窓が切り取られ、前面には運転をする兵士の席があり、大型の馬に似た動物が1頭繋がれている。
なめらかな栗色の体毛と、その毛並みの上からでもはっきりとわかるほど発達した筋肉。
たてがみの無い頭部と短い尻尾、太く逞しい脚が、馬とは違っている。
「〈バルテリウム〉がそんなに珍しいか?」
まじまじと動物を眺める私に、ハウスドルフさんが声を掛けた。
「えぇ、こちらの世界の動物なんて初めて見ましたから」
「そうか。バルダクタル特産の家畜だよ。
……さ、早く車に乗れ」
車体の左右に1つずつ窓が切り取られ、前面には運転をする兵士の席があり、大型の馬に似た動物が1頭繋がれている。
なめらかな栗色の体毛と、その毛並みの上からでもはっきりとわかるほど発達した筋肉。
たてがみの無い頭部と短い尻尾、太く逞しい脚が、馬とは違っている。
「〈バルテリウム〉がそんなに珍しいか?」
まじまじと動物を眺める私に、ハウスドルフさんが声を掛けた。
「えぇ、こちらの世界の動物なんて初めて見ましたから」
「そうか。バルダクタル特産の家畜だよ。
……さ、早く車に乗れ」