崖っぷちトレード
「あれ?起きてたんだ。早いね。」


彼女は私の姿を見つけると声をかけてきた。
思ったより低い声。でも逆にこれがより魅力的に見える。


「…もしかして、眠れなかった?」


黙っている私を見て体調が悪いと思ったのか、心配そうに顔を覗き込んできた。


…彼女は誰なんだろうか?瀬方慶一には白風さんがいたのだから、恋人ではないとは思うが…。


私は気になりながらも、とりあえず相手に話を合わせてみる事にした。
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