崖っぷちトレード
「…真相は、分からない。俺も見たわけじゃないし、慶兄も何も言わなかったから…。でも、慶兄は何か知ってそうだった。知ってて…出頭しようとしてるように見えた。」


その時、私はハッとした。


「あっ、だから眠りに行ったフリして戻ってきたの?」

「ん?ああ、真実を知ってそうだった慶兄が真実を知りたいなんて変な事言ったから、何かおかしいと思ってな。…案の定的中した訳だけど。」


…どうやら、私は賭けに最初から負けていたらしい。
私は一気に体の力が抜けた。
< 49 / 72 >

この作品をシェア

pagetop