崖っぷちトレード
「でも確かに、女性の姿をしていたら見つかりにくいかもね。名案ね。」


とりあえず、ここはフォローしておく事にした。
考えればあれだけの女装をするには、相当な努力が必要だと思う。
私は、その努力に敬意を払う事にした。

すると、つかさの顔がパッと輝いた。

「…そうか?そう思うか?…俺さ、本当に慶兄には捕まって欲しくないんだ…。」

その時、実感した。
この人は本当に瀬方慶一の事を大切に思っているんだと。

そう思うと、何か昨日会ったばかりの姉や両親が妙に懐かしくなった。
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