崖っぷちトレード
背中まで伸びた髪。


細い体に細い足。


白く透き通った肌に二重の目。



…それは紛れもなく、女の子の姿。



「優実、いつまで寝てるの?遅刻するわよ!」


…階下から女性の声が響く。恐らくはこの女の子の母親だろう。

どうやら、自分にはこの事態に戸惑っている時間はないようだ。
とりあえず、「はーい。」とそれらしい返事をして、僕は下の階へと降りて行った。
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