崖っぷちトレード
鞄に入っていた生徒手帳を確認し、学校の住所・女の子の氏名・学年は知る事が出来た。


どうやら彼女は北海道の札幌市の高校に通う高校二年生らしい。

歩きながら彼女の生徒手帳やスケジュール帳等をチェックしていると、ふっと身体に冷たい風が当たって俄かに身震いがした。


…季節は10月。住んでいた千葉県ではまだまだ暖かい季節でも、北海道ではもうすぐ冬支度という季節にかかっているはず。

「…そうか、遠いところに来たんだな…。」

僕は、空を見上げて小さな溜め息をつくと、制服の上に羽織っている薄いカーディガンのボタンをしっかりかけて、学校へと足を進めて行った。
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