崖っぷちトレード
「こんにちは。最近来てらっしゃらなかったけど、何かあったんですか?」

美菜が聞く。

「…ううん、別に大して何があったって訳じゃないけど、ちょっと最近忙しくてね。…ところであなた達、今日は占っていくの?」

「あ、お願いします。」

今度は私が答える。どうやらあまりプライベートには立ち入ってはいけない雰囲気だ。…占い師の職業柄そうなのかもしれない。

「うん、じゃあ優実ちゃんから見せてもらうわね。…あら?」

「…どうかされたんですか?」

「ちょっと待ってね……うーん、おかしいわね…。」

占い師さんが机の上の水晶の角度を色々変えて何度も覗き込む。こんな事は初めてだ。
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