年下彼女は嫌いですか?
初めてのサボりとデート
「うん、似合う似合う!」
―――――あれよあれよという間に話が進み、現在私は学校の最寄り駅から三駅離れた町の服屋さんで着せ替え人形になっていた
「じゃあ、これ下さい」
にっこりと微笑んで支払いに移ろうとするミナトさんにようやく我に返り
「ダ、ダメですよこんなの!結構高いですよこれ…!」
「いいからいいから。女の子に払わせるなんて出来るわけないでしょ?それに俺が無理やりここに連れて来たんだから。」
にっこりと笑ってそう言われると返す言葉もなく、ミナトさんはそのまま支払いを終えると私の手を取って店を出た
「とりあえず、どこかのコインロッカーに制服は預けるとして…、あ!そこのカフェに入ろっか!」
さりげなく繋いだ手と反対の手で制服の入った袋を持ってくれているミナトさんは、またにっこりと微笑んで、止める間もなく一緒に店に入ってしまった
「ゴメンね、突然」
「え?」
案内された席に着くなりそういったミナトさんはそう切り出すと
「なんだかライちゃん、沈んでたみたいだったから。つい連れ出しちゃったんだ。ライちゃん真面目だし、学校サボったことなんてなかったでしょ?ゴメン」
「でも、だから、今日はライちゃんに思いっきり楽しんでほしいんだ! 嫌なこと全部忘れて……」
「ミナトさん……」
さっきまでの微笑みとはまた違った、どこか必死なミナトさんの様子に、言葉に、少しだけ胸が軽くなったような気がした
「ありがとう、ございます! じゃあ…今日だけ、遊んじゃおっかな!!」
そう言って笑ってみせると、ミナトさんは本当に嬉しそうに目を輝かせた
「おっ!ちょっとはテンション上がったかな? 俺も久々の日本超楽しみ!!」
そのあとは二人でメニューを見ながら、「今はパンケーキが流行ってますよ」と言うと、「じゃあそれ食べよう!」と二人でホイップたっぷりのパンケーキを頬張って
「唇にクリームがついてるよ」なんて、昔に戻ったみたいな会話をして楽しんだ