幸せを君に



早く出禁にしてくれる様、店長に言ったのに今の今まで出禁にしていない。

オーナーに直接掛け合おうとしたボーイはクビになった。
もちろん店長がクビにしたのだ。
それ以来誰もオーナーに話そうとしない。


「じゃあ…いつもの貰うわね」


私はニッコリ微笑む。


「折角の記念日なのに…今日も酒飲まねぇのかぁ?」


柳川は眉間に皺を寄せている。



「バイクで来てるからね。飲酒運転で事故を起こしたり捕まったりしたら私困るもの」



柳川が不機嫌になろうが、そんなの知ったこっちゃない。


もし、飲酒運転で何かあれば働けなる。それこそ私には死活問題だ。



「今日もバイクなんか?俺が帰りは車で送ったるがな」


柳川は断っても食い下がってくる。




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