幸せを君に
ドンペリが各テーブルに運ばれたのはそれから5分を少し過ぎてだった。
きっと裏で走り回ってくれたんだろうな…ありがとう。黒服さん。
私は心の中でお礼を言い、柳川のグラスにドンペリを注ぐ。
すると、黒服が裏から出てきて、私達のテーブルの前に集まった。
「柳川さん、頂きます」
「「「頂きます」」」
潤の言葉に合わせ、他のボーイも挨拶をする。
周りのお客さんも、「ごちそう様ー」などと声が上がる。
それに気分を良くした柳川は、どんどん調子よく飲み始めたのだった。
柳川が来て1時間が経つ頃、潤がこっちに向かってきた。