かけがえのない君のために
「もうっ。お母さんが下にいるからダメ」


「わかってる。だからキスだけ」


何度も何度も触れるだけのキスをして抱きしめて彼女を離したくない。


何があっても離れない。
そう決めたのに、俺は・・・。


「みくーっ。ちょっと雨が降ってきたからお父さん迎えに行って来てくれない?お母さん今、ちょっと手が離せなくて」


一階からお母さんの声がして彼女は渋々お父さんを迎えに行くことにした。


俺はリビングまで下りて来てソファに腰を掛けた。


「ごめんなさいね。少しあなたに話したいことがあって・・・」




カタッと置かれたコーヒーカップ。
お母さんが俺の向かいに座った。
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