かけがえのない君のために
《蓮都》


女のそんな挑発に乗るわけにいかない。わかってる。


第一俺から別れなんて言えるわけないだろ。こんなに好きなのに。


それなのにこいつに勝てないことが悔しい。


本当にそう言えば認めるのか?


いや、きっと認めるはずない。今までだってそうだっただろ?


未来の身体のことを話すと言ったときだって結局こいつからは何も聞けなかった。


また、そうやって未来を傷つけるだけ傷付けて辛い思いをさせるだけ。


そんなことをしてこいつの手の中で踊らされるだけならもうとっとと同じことをして身体中に痛々しい傷跡をつけてやるほうが早いし賢いはずだ。
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