かけがえのない君のために
「篠原?」




「あっ、もうあんた遅い。篠原さん泣いて授業どころじゃないからあんた慰めてあげて」





真由は口パクで『こ・く・れ』とだけ言って教室に戻って行った。




「とりあえずどっか空いてる教室行こう。立てる?」




俯いてただ泣いてる彼女にそう言うと黙って頷く。手を差し出すと軽く俺の手に添えられた彼女の手。



小さい。じゃなかった。隣の教室は授業中みたいだな。その隣はどうだろう。見に行ってみるか。




「とりあえずここ座って」
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