かけがえのない君のために
404の教室が空いていたからそこに入った。



1番前の椅子を引いて彼女を座らせる。まだ肩が震えていた。




「とりあえず落ち着けるか?なんか真由に言われた?」





「・・・っく。違うの。森本さんも美輪ちゃんも山ちゃんもみんな優しくて。それなのに私はみんなを信じられない。怖いの。そしてそんな自分がたまらなく嫌になる」




「それは篠原が過去に辛い思いをしたからだろ?それなのに急にみんなを信じられるほうがおかしい。少しずつでいいよ」




そんなひどい逆恨みをされたのかと思うと思わず抱きしめたくなる。


俺がそこにいたらそんな思いさせることなんてなかったのに。





もういい。言ってしまおう。




一秒でも早く誰よりも近づきたい。
その心を開いてほしい。





「好きだ。俺と付き合ってほしい」
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