かけがえのない君のために
彼は彼女のために。彼女は彼のために。

大切だから聞けない。言えない。

《未来》


ストレートな彼の告白はあれだけの涙を一瞬にして止めてしまった。



顔を上げると真っ直ぐ、偽りのない彼のまなざし。


もう逃げられない。私も椎名くんが好きだから。




きっと誰かに逆恨みされたとしても彼なら必ず守ってくれる。自信がある。


でも彼に私の身体を見せられる?



こんなにも真っ直ぐな彼が私の過去や身体を知ってしまったらきっと・・・




「椎名くんは私のこと何も知らないから・・・きっと知ったらびっくりして嫌になるよ」




バンッと大きな音がした。



目の前の彼が机を叩いた音。



私だけ椅子に座らせて彼はずっと私の前に立っていた。
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