かけがえのない君のために
急いで電話を掛ける。通話音がもどかしい。


未来、未来早く出て。何があったか説明してくれ。


数秒の通話音の後、俺の耳に届いたのは彼女の声。




「・・・もしもし」




「未来?未来か?今どこにいんだよ?大丈夫か?こいつに何か・・・」




「私の代わりに、彼女を抱いて」




「はあ?何言ってんだよ?ちょっと待て。未来!未来!」




何度叫んでも聞こえるのは虚しい機械音。未来、何があったんだよ?


今すぐ行くから待ってろ。


そうその場を離れようとしたのに真っ白な手が俺の行く手を阻む。
< 63 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop