かけがえのない君のために
「ねえ。あたし代わりに抱かれてあげようか?」




「代わりに?」





「そう。抱けない女なんてすぐに愛想つかされちゃうよ。あたしなら本気にならないし身代わりだって割り切れる」




逆らえば確実に椎名くんに言われる。



まだ自分の口からそれを言えるほど私は強くない。


椎名くんを失いたくない。
椎名くんに嫌われたくない。
哀れみの目で見られたくない。




「それで本当に黙っててくれるの?」




「もちろん。代わりにたっぷりと彼に愛されてきてあげるね」
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