かけがえのない君のために
古びた雑居ビルの2階で響く耳を塞ぎたくなるような媚びた喘ぎ声。


そんな声を聞かせんじゃねえよ。



俺を懇願するその仕草もただの女豹。
そして女は高い声を上げて果てた。




「で?未来のこと言えよ」




「えーっもう興ざめするようなこと言わないでよ」




「俺に触れんな。早く言えよ」




「でも椎名くんって豹変するのね。未来をこんな風にしたかったんだ」




「お前を未来の代わりにはしてない。ただのはけ口だ。だから早く言えよ」




「でも嫌いじゃない。もっとあたしを満足させてくれたら話してあげる」
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