かけがえのない君のために
我慢すればいい。


その手もその唇も胸も全部貸してあげたと思えばいい。


それで椎名くんにバレなければ・・・




「未来、俺・・・」




「椎名くん、私のところに帰ってきてくれてありがとう」




彼の胸の中でポツリと呟いた一言。


やっぱり知られるわけにはいかない。こうやって彼は私のところに帰ってきてくれる。


言わない。彼もきっと何も聞いてない。聞いたらきっと椎名くんはもう私のところには帰ってきてくれない。
< 76 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop