イフ*シンドローム【短編】
イフ*シンドローム
「うっひゃあ~!あっつ、この部屋!クーラー効いてんのか!」
あたしは部屋に入るなり、クーラーのリモコンの設定温度を下げ、扇風機をつけて強にした。
扇風機の前に座り、「あ~」と声を出して遊んでいると、
「此処、俺の部屋なんだけど」
呆れた顔をした早海京太(はやみきょうた)が、あたしを見下ろしていた。
「は?!20度に設定したとかお前馬鹿か?!普通、28度だろ」
「何よ、京太のくせにエコとか気にしてんの?」
「京太のくせにってなんだよ」
そう言うと、わざとらしくため息をついてから設定温度を上げた。
「ああ~っ!あたし死んじゃうよ京太……!」
「はいはい、もう勝手に死んでくれよ……」
「アァン?今なんて言った」
「サーセン……」
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