イフ*シンドローム【短編】
ベッドの上で扇風機を占領しているあたし、水元亜衣(みずもとあい)。
カーペットの上にちょこんと座っている京太。
……いや、自分でも分かってるんだよ。
ここ、誰の部屋だよって自分でも突っ込みたくなるんだよ。
けど、まぁ良いじゃん。京太なんだから。
「よくそんな無防備な格好で、無防備に座ってられるよな、男の部屋来て」
「はい?」
「つくづく思うわ、お前って俺の事男だって忘れてるよな」
「いや、別に忘れてる訳じゃないけど……京太は別に何もしてこないじゃん」
「何でそう言い切れるの?」
「うっさい馬鹿!」
近くにあったクッションを力強く京太に投げると、顔面に直撃して真後ろに倒れた。