イフ*シンドローム【短編】
「いってぇ~!別に投げる事ねぇじゃん!」
「あーごめんごめん。当たっちゃったー」
「うっわ、棒読み」
投げられるのがクッションでまだ良かった方だよ、とおでこをさすりながら言う京太。
そんな彼に、
「ねぇ、もしあたしが実は女の子じゃなくて男の子だったの!って言ったらどうする?」
と尋ねてみた。
「…………」
すると、返事をわくわくしながら待っているあたしを、無言でジロジロと見た。
「……いや、それ言われても別に疑わねーかも」
「おい、てめー最後に胸見て判断しただろ!」
「いや、だって無いじゃん?」
「……一回死ね」
今度は近くにあったティッシュを思いっきり投げつけてやった。