イフ*シンドローム【短編】
あたしの質問に、すぐに答えない京太。
「そんな真剣にならなくっても」
あたしは無言で黙り込んでる京太を見て、何だかおかしくなってきて笑ってしまった。
「亜衣は?」
「あたし?うーん……好きな食べ物いっぱい食べる!」
「うわーふっつー」
「何よーうるさいなぁ!じゃあ京太は何なの」
「俺は……亜衣に告る」
…………え?
「最後に告白して、逃げる」
「何で逃げんのよ」
いや、違う。聞きたい所はそこじゃなくって……!
人生最後の日にあたしに告白する……?
「いやーだって、お前に好きだって言ったら、蹴り飛ばされそうじゃん?」
「いくらあたしでも蹴り飛ばさねーし!」
平常心を保とうとしても、心臓がドキドキと音を立てて止まってくれない。
意外な返事過ぎて、なんて言ったら良いのか分からなくなってしまった。