プリンセスの憂鬱【BL】(※仮)
「ライヴの時と全然印象違うから、別の人かと思ったんですよ。私服っていつもこんな感じなんですか?」
「あー……、どっちかって言うとコレは部屋着に近いかな。眼科行くのに気合いいれても仕方ないし」
「そうなんですか!? 十分オシャレですよ!」
大袈裟なリアクションに思わず吹き出してしまった。
別に芸能人て訳でもないんだし、そこまで大袈裟な反応されると……嬉しい反面逆に構えてしまいそうになる。
ファンと仲良くする事はバンドの為にもなるのは分かってるんだ。
それでも何と無く気乗りしないのは、相手にも一線置かれてしまっているのが分かるし、遊び仲間みたいに遠慮せずに自然体でいられるような関係には中々なれないからだ。
俺にとっては、正直疲れるだけ……。
そう思っていたのに、何故か今回は気を許してしまいそうになる。
「ほんと、思い切って良かった。ライヴ中のヒメノさんて、鬼気迫るものがあったりして、近寄り難いイメージだったから」
あ……、分かった。
「普段は全然違うんですね。そういう格好だと女の子みたいで、最初は違う人かと思って」
こいつ、笑うとどことなく恭介に似てる。
「ああっ、ごめんなさいっ。女の子みたいとか失礼ですよね!?」
そのせいで、突き放せないのかも知れない。
……やべ。
恭介に逢いたくなってきた。