不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
帰り間際に気が付いた。
レポーターに掴まっている男性の首にあのチェーンらしき物が掛かっていることに。
(――もしかしたら?」
俺はわざとソイツの前に出て行った。
(――あっー、やっぱり)
すれ違いざまに確認すると、それは確かにあのペンダントだった。
俺は木暮に目配せをして、それを見るように仕向けた。
木暮の顔から血の気が引いていく。
俺はそんな木暮を気遣いながら、そっとその場を後にした。
俺は直ぐ様刑事を追って、ゴールドスカルのペンダントヘッドを付けたチェーンをしている男性のことを告げた。
でも男性は其所から居なくなっていた。
「あの時俺が此処に残ってさえいれば」
木暮が辛そうに言った。
「ところで磐城君、この人は?」
木暮のことを知らないのか、刑事が言う。
そこで俺は、第一の被害者・木暮敦士の実の弟だと教えた。
ゴールドスカルのペンダントヘッド付きチェーンをしている男性。
手掛かりはそれしかない。
それでも大きな一歩だったと言える。
俺と木暮は、夕刻近い街を宛もなく歩いていた。
小さなカフェがあった。
俺は千穂と百合子の会話を此処で録音したことを思い出していた。
何気に見た店内にあの女性がいた。
俺携帯に収まっていたボンドー原っぱの恋人だと言う女性だった。
「あの女性を見て、俺は木暮の兄貴の彼女だと思うんだけど……」
「ん!? あっ、きっとそうだよ」
木暮もそう言った。
俺達はその女性の近くに席を取った。
「それにしても凄いドクロだったね」
ワザとなのか、木暮が言った。
俺は慌ててふためいて彼女を見た。
彼女は青ざめているように見えた。
俺はドキドキして、身を縮こめた。
(――もう、木暮の馬鹿。よりによってこんな場所で)
俯き加減で又彼女に目をやる。
でも二人は気付いていないようで、アイスコーヒーを飲んでいた。
(――二人?)
俺は彼女が一人だと思っていたのだ。
でも隣にはもう一人……
その人は俺達が探していたゴールドスカルのペンダントヘッドを身に付けていた人だったのだ。
レポーターに掴まっている男性の首にあのチェーンらしき物が掛かっていることに。
(――もしかしたら?」
俺はわざとソイツの前に出て行った。
(――あっー、やっぱり)
すれ違いざまに確認すると、それは確かにあのペンダントだった。
俺は木暮に目配せをして、それを見るように仕向けた。
木暮の顔から血の気が引いていく。
俺はそんな木暮を気遣いながら、そっとその場を後にした。
俺は直ぐ様刑事を追って、ゴールドスカルのペンダントヘッドを付けたチェーンをしている男性のことを告げた。
でも男性は其所から居なくなっていた。
「あの時俺が此処に残ってさえいれば」
木暮が辛そうに言った。
「ところで磐城君、この人は?」
木暮のことを知らないのか、刑事が言う。
そこで俺は、第一の被害者・木暮敦士の実の弟だと教えた。
ゴールドスカルのペンダントヘッド付きチェーンをしている男性。
手掛かりはそれしかない。
それでも大きな一歩だったと言える。
俺と木暮は、夕刻近い街を宛もなく歩いていた。
小さなカフェがあった。
俺は千穂と百合子の会話を此処で録音したことを思い出していた。
何気に見た店内にあの女性がいた。
俺携帯に収まっていたボンドー原っぱの恋人だと言う女性だった。
「あの女性を見て、俺は木暮の兄貴の彼女だと思うんだけど……」
「ん!? あっ、きっとそうだよ」
木暮もそう言った。
俺達はその女性の近くに席を取った。
「それにしても凄いドクロだったね」
ワザとなのか、木暮が言った。
俺は慌ててふためいて彼女を見た。
彼女は青ざめているように見えた。
俺はドキドキして、身を縮こめた。
(――もう、木暮の馬鹿。よりによってこんな場所で)
俯き加減で又彼女に目をやる。
でも二人は気付いていないようで、アイスコーヒーを飲んでいた。
(――二人?)
俺は彼女が一人だと思っていたのだ。
でも隣にはもう一人……
その人は俺達が探していたゴールドスカルのペンダントヘッドを身に付けていた人だったのだ。