不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
みずほのコンパクトが熱を帯びている。
ずっとポケットに仕舞いぱなしだったから呼吸をしたがっているのかと思った。
それでも俺は躊躇した。
あの言葉を見たくはなかった。
その時、木暮の手がコンパクトを奪い開けていた。
「あっ!?」
木暮の驚き声を耳にした時、まだ見せていなかったと思った。
でも確かに、以前見せたはずだと気が付いた。
俺はそっとそのコンパクトに写し出された映像に目をやった。
「あっ!?」
俺も驚いて声を発していた。
「これは何なんだ!?」
二人同時に言っていた。
コンパクトに書かれた“死ね”の文字にゴールドスカルの映像が重なっていたのだ。
それはますます不可解な様相を呈しているかのように思えた。
俺はそっと、後ろを振り向いた。
知らない間にそのペンダントヘッドの持ち主が横に立っていたのだ。
俺は慌ててコンパクトを閉じた。
「さっき確か会ったよね?」
「えっ、何時ですか?」
俺はとにかく知らばっくれることにした。
「原田の葬儀会場でだ」
「えっ、その原田って誰ですか?」
俺は更にすっとぼけた。
「あっ、そうか本名知らないか。あのボンドー原っぱのことだよ」
「えっ、彼処にいたのですか? 大勢いたので気が付かなかった」
俺は悪いと思いつつ、更に嘘を重ねた。
「実は俺の彼女、原田の恋人だったらしいんだ。何だか気になってさ。だから君達が何か知っているのかなと思ってさ」
「へー、彼女ってパフォーマー好きなんですね」
俺は思わず言っていた。
「いや、彼女はロック好きなんだ。これ噂だけど、原田があんな風になったから俺に乗り換えたらしいんだよ」
その人はそう言った。
彼はきっと心配だったんだ。
だから彼女が居ない内に聞いてみたかったのかも知れない。
そう、彼女は俺達の気付かない内に席を外していたのだ。
「いや、俺達ただボンドー原っぱさんにお別れをしたかっただけです」
全ての意図を汲んで、木暮が言ってくれた。
ずっとポケットに仕舞いぱなしだったから呼吸をしたがっているのかと思った。
それでも俺は躊躇した。
あの言葉を見たくはなかった。
その時、木暮の手がコンパクトを奪い開けていた。
「あっ!?」
木暮の驚き声を耳にした時、まだ見せていなかったと思った。
でも確かに、以前見せたはずだと気が付いた。
俺はそっとそのコンパクトに写し出された映像に目をやった。
「あっ!?」
俺も驚いて声を発していた。
「これは何なんだ!?」
二人同時に言っていた。
コンパクトに書かれた“死ね”の文字にゴールドスカルの映像が重なっていたのだ。
それはますます不可解な様相を呈しているかのように思えた。
俺はそっと、後ろを振り向いた。
知らない間にそのペンダントヘッドの持ち主が横に立っていたのだ。
俺は慌ててコンパクトを閉じた。
「さっき確か会ったよね?」
「えっ、何時ですか?」
俺はとにかく知らばっくれることにした。
「原田の葬儀会場でだ」
「えっ、その原田って誰ですか?」
俺は更にすっとぼけた。
「あっ、そうか本名知らないか。あのボンドー原っぱのことだよ」
「えっ、彼処にいたのですか? 大勢いたので気が付かなかった」
俺は悪いと思いつつ、更に嘘を重ねた。
「実は俺の彼女、原田の恋人だったらしいんだ。何だか気になってさ。だから君達が何か知っているのかなと思ってさ」
「へー、彼女ってパフォーマー好きなんですね」
俺は思わず言っていた。
「いや、彼女はロック好きなんだ。これ噂だけど、原田があんな風になったから俺に乗り換えたらしいんだよ」
その人はそう言った。
彼はきっと心配だったんだ。
だから彼女が居ない内に聞いてみたかったのかも知れない。
そう、彼女は俺達の気付かない内に席を外していたのだ。
「いや、俺達ただボンドー原っぱさんにお別れをしたかっただけです」
全ての意図を汲んで、木暮が言ってくれた。