不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
一応仕事だと言うことで、叔父さんの車で送ってもらえることになった。
叔父さんも駐車違反にならない程度に移動しながら見守ってくれてる。
俺にはそれだけでも心強かったんだ。
事務所から近いからあの日有美と此処に来た。
その時百合子と千穂を目撃して、女装探偵になった思い出のカフェだった。
「此処かい、千穂ちゃんの会話を録音したカフェって?」
叔父さんが聞く。
俺は黙って頷いた。
勢い良く出掛けたままなら良かった。
カフェに入った途端、急に木暮が色気付いた。
初めての女装で、しかもあちこち可愛い娘だらけ……
日頃女子っ気の全くない木暮は舞い上がってしまったのだった。
そうだった。
俺は肝心なことを忘れていた。
木暮の高校は男子校だったのだ。
俺はそんな木暮を精一杯フォローしながら、何とか彼女達の隣の席に着いた。
聞き耳を立てながらレコーダーのスイッチを入れる。
これでひとまず終了。
後は真っ赤になっている木暮をなだめなくてはいけない。
俺は小さくため息をついた。
「ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?」
誰かが言った。
(――始まったー!)
って思った。
葬儀は約一週間前だ。
当然と言える発言だったのだ。
(――あれっ!?)
そう言えば不思議だ。
斎場は此処だった。
ふとそんな疑問が又思いが浮かぶ。
「違うと思うよ」
もう一人が言った。
その言葉に興味を持った俺は更に聞き耳を立てた。
「確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?」
「どっちなのよ」
「うーん、解らない」
「でも情けない無いね、あんなチョンボで死ぬなんて」
「チョンボ?」
「そうだよ、大チョンボ。バスから降りる時に何かが挟まって引き摺られたってことらしいよ」
「へー、知らなかった。私全く興味なかったからね。でも一体誰から聞いたの?」
「確か麻衣(まい)だった。そうよね麻衣?」
「えっ、何の話?」
やっと登場した麻衣と名乗る女性。
彼女だった。
「さっきから何の話してるの?」
「だからさー、原っぱがどんな死に様かってことよ」
叔父さんも駐車違反にならない程度に移動しながら見守ってくれてる。
俺にはそれだけでも心強かったんだ。
事務所から近いからあの日有美と此処に来た。
その時百合子と千穂を目撃して、女装探偵になった思い出のカフェだった。
「此処かい、千穂ちゃんの会話を録音したカフェって?」
叔父さんが聞く。
俺は黙って頷いた。
勢い良く出掛けたままなら良かった。
カフェに入った途端、急に木暮が色気付いた。
初めての女装で、しかもあちこち可愛い娘だらけ……
日頃女子っ気の全くない木暮は舞い上がってしまったのだった。
そうだった。
俺は肝心なことを忘れていた。
木暮の高校は男子校だったのだ。
俺はそんな木暮を精一杯フォローしながら、何とか彼女達の隣の席に着いた。
聞き耳を立てながらレコーダーのスイッチを入れる。
これでひとまず終了。
後は真っ赤になっている木暮をなだめなくてはいけない。
俺は小さくため息をついた。
「ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?」
誰かが言った。
(――始まったー!)
って思った。
葬儀は約一週間前だ。
当然と言える発言だったのだ。
(――あれっ!?)
そう言えば不思議だ。
斎場は此処だった。
ふとそんな疑問が又思いが浮かぶ。
「違うと思うよ」
もう一人が言った。
その言葉に興味を持った俺は更に聞き耳を立てた。
「確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?」
「どっちなのよ」
「うーん、解らない」
「でも情けない無いね、あんなチョンボで死ぬなんて」
「チョンボ?」
「そうだよ、大チョンボ。バスから降りる時に何かが挟まって引き摺られたってことらしいよ」
「へー、知らなかった。私全く興味なかったからね。でも一体誰から聞いたの?」
「確か麻衣(まい)だった。そうよね麻衣?」
「えっ、何の話?」
やっと登場した麻衣と名乗る女性。
彼女だった。
「さっきから何の話してるの?」
「だからさー、原っぱがどんな死に様かってことよ」