不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 でも本当は違っていたようだ。
彼はマネージャーからスキンヘッドを勧められていたのだ。

ゴールドスカルのペンダントヘッドもマネージャーが彼に託した物だった。


『彼女の気持ちを確かめるには、これをするのが一番よ』
そう言ってたそうだ。


それを身に付けることによって、二人を仲違いさせようとしていたのに違いない。


俺は後日、MAIの彼氏と会っていた。

その言葉を聞いた時そう思った。




 ストーカーはマネージャーだった。

木暮敦士の時も、原田学の時も。
原田学は木暮敦士がスキンヘッドで殺されていたことを知っていた。
何故なら彼はあの現場を見ていたからだ。

ライブイベントパフォーマンスで、あのデパートにギタリストとして参加していたからだ。


だから原田学は自分がスキンヘッドになっていると気付いた時震え上がったのだろう。


あまりに慌てていたから、ゴールドスカルのペンダントヘッドの付いたチェーンが自分の首に掛けられていたことにも気付かなかったのだ。

そのチェーンで、殺されることになるなんて……
原田学はマネージャーにとってただの玩具だったのだろうか?




 原田学は自分の携帯で木暮敦士に電話した。
思考回路が絶不調だったに違いない。
でもそのお陰でイワキ探偵事務所にたどり着いたのだ。

俺の親友、木暮敦士の弟の機転で。


叔父さんが元凄腕の刑事だったと、俺が自慢していたからだ。


でも、ストーカーになったマネージャーはその一部始終を見ていたのだ。
だから帰りのバスで襲えたのだ。


バスの映像の中に、ゴールドスカルのペンダントヘッドを手に取った人が写っていた。

きっとそれがマネージャーに違いないと俺は思った。




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