不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
再鏡面回顧
俺は学校の許可を取り、みずほの慰霊祭を屋上で開催することにした。
今回の事件を重くみた学校側は、市の教育委員会や警察管の立ち入りを求めた。
でも生徒が混乱すると思いクラスメートと担任だけの出席にして貰った。
屋上にみずほの使用していた机と椅子が並べられた。
まず俺がダイブした場所から花束を落とした。
献花のつもりだった。
その花はみずほの遺体のあった箇所へ命中した。
其処には既に沢山の花束が供えられていて、その一つとなった。
(――やはり殺しか……
この花の落ち具合は?)
俺はみずほの落ちた放物線を知らない。
でもそう確信した。
(――もしみずほが自殺だったなら、もう少し遠くへ堕ちるはずだ。
――勢いを付けて跳ぶはずだから。
――幾ら何でも、真っ直ぐ下にはダイブ出来ないだろう。
――でも花束は……
一直線に下へ向かったよな?)
追い詰められたみずほが胸を突かれてまっ逆さまに墜ちていく。
俺の脳裏にあの日の光景が広がった。
「みんなも聞いたか? 岩城みずほの死は此処から突き落とされたことによる脳挫傷だったそうだ。俺は見た。みずほの胸の手のひら大の痣を。みんな正直に言ってくれ。一帯誰がみずほを殺したんだ」
「何言ってるんだ。岩城みずほは自殺だよー」
一人が言った。
すると全員が言う。
「そうだ岩城みずほは確かに自殺だー」
「その通りだー」
と――。
「お前は恋人が死んで悲しいだろうけどよ。此処にいる奴らの腹の中では、ライバルが減ったって喜んでいるに決まっているさ」
影に隠れて誰かが言った。
(――あっ、そう言う事か……
――みずほは何時もトップクラスだった……
――だからみんな平然としているんだ。
――強力なライバルが一人減ってラッキーか?
――もしかしたらそれを狙ったのか!?
――それで狙ったのか!?)
俺は自分だけが躍起になっているようでいたたまれなくなった。
「何言ってるの! みずほは親切で誰にも優しいかったじゃない!」
女生徒達が言ってくれた。
俺はそれで救われた。
それだけで充分だった。
(――嬉しい……
嬉しいよ、みずほの優しさを知っているクラスメートがいることが解って)
それでも俺は賭けに出ようとしていた。
俺はコンパクトを手に持ちながら、携帯に届いたメールにアクセスした。
今回の事件を重くみた学校側は、市の教育委員会や警察管の立ち入りを求めた。
でも生徒が混乱すると思いクラスメートと担任だけの出席にして貰った。
屋上にみずほの使用していた机と椅子が並べられた。
まず俺がダイブした場所から花束を落とした。
献花のつもりだった。
その花はみずほの遺体のあった箇所へ命中した。
其処には既に沢山の花束が供えられていて、その一つとなった。
(――やはり殺しか……
この花の落ち具合は?)
俺はみずほの落ちた放物線を知らない。
でもそう確信した。
(――もしみずほが自殺だったなら、もう少し遠くへ堕ちるはずだ。
――勢いを付けて跳ぶはずだから。
――幾ら何でも、真っ直ぐ下にはダイブ出来ないだろう。
――でも花束は……
一直線に下へ向かったよな?)
追い詰められたみずほが胸を突かれてまっ逆さまに墜ちていく。
俺の脳裏にあの日の光景が広がった。
「みんなも聞いたか? 岩城みずほの死は此処から突き落とされたことによる脳挫傷だったそうだ。俺は見た。みずほの胸の手のひら大の痣を。みんな正直に言ってくれ。一帯誰がみずほを殺したんだ」
「何言ってるんだ。岩城みずほは自殺だよー」
一人が言った。
すると全員が言う。
「そうだ岩城みずほは確かに自殺だー」
「その通りだー」
と――。
「お前は恋人が死んで悲しいだろうけどよ。此処にいる奴らの腹の中では、ライバルが減ったって喜んでいるに決まっているさ」
影に隠れて誰かが言った。
(――あっ、そう言う事か……
――みずほは何時もトップクラスだった……
――だからみんな平然としているんだ。
――強力なライバルが一人減ってラッキーか?
――もしかしたらそれを狙ったのか!?
――それで狙ったのか!?)
俺は自分だけが躍起になっているようでいたたまれなくなった。
「何言ってるの! みずほは親切で誰にも優しいかったじゃない!」
女生徒達が言ってくれた。
俺はそれで救われた。
それだけで充分だった。
(――嬉しい……
嬉しいよ、みずほの優しさを知っているクラスメートがいることが解って)
それでも俺は賭けに出ようとしていた。
俺はコンパクトを手に持ちながら、携帯に届いたメールにアクセスした。