不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 福田千穂。
保育園時代、何時も一緒だった。


いや、多分そのずっと前から……

俺と千穂は遊んでいた。


お祖母ちゃんに送ってもらう時も、帰る時も。


千穂の両親は俺の母と同じ職場だった。
だから帰って来るまで……


そうだよ。
保育園に行く前から、俺達はずっと一緒だったんだ。


決して言い訳じゃない。

だから尚更気が付かなかったんだ。




 やはり二人が仕組んだことだった。
でも二人は、自分達が殺したとは思っていなかったようだ。


(――キューピット様か……

――あれっ!?
俺がコンパクトに見た圧倒的威圧感。
あれがキューピット様か。

――だとしたら、太刀打ち出来ない!)


三連続で誰かが死ぬ……

その最後の一人を助けられない!


俺は……
余りにも未熟者だった。




 「そうね、それだったら、誰が良いの?」
町田百合子が殺してほしい人を催促した。


「うーん、そうだなー。磐城君以外なら誰でもいいわ」


「だったら、最初に戻そうか?」


「最初?」


「そうよ。始まりは有美の親父じやない? だから今度は松尾有美。後追い自殺なら誰も傷付かないから」


「あっ、それがいい。物凄くいいアイデア」

暫く考えてから千穂が言った。


「そうよね。松尾有美だったらきっとみんな大喜びするはずよ。だってあの子サッカー部のエースの彼女じゃない?」




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