不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
松尾有美が転校していく。
先生と継母を結婚させるために。
俺は有美を誤解していたのだろうか?
でも本音は別のところにあった。
サッカー部のエースと、もっと深く付き合うためだったのだ。
この学校にいれば、みんなの反感をかう。
それを身をもって体験したからだった。
有美は、したたかに生きる道を選んだのだった。
遠距離恋愛……
ではないが、みんなの目が行き届かない場所。
そこで有美は新たなスタートを切る。
彼の恋人として。
そして俺も……
転校を考えていた。
橋本翔太は、事件の真相を知らない。
自分が言った一言が、みずほを殺したことを知らない。
でも俺……
言ってしまいそうなんだ。
俺がレギュラーになれなかった訳を……
本当は悔しくて悔しくて仕方ないんだ。
だって俺……
サッカーが大好きだから。
レギュラーになって、ハットトリックを決める。
それが俺の夢だったから。
でも、橋本翔太も努力して来たんだ。
同じ街で育ち同じFCで出会い、同じ夢を見てきた。
リフティング大会で技を競い合ったこともある。
互いに負けず嫌いで、本当に良いライバルだった。
そんな奴を苦しめたくないんだ。
俺達は厨房のくせに、レベルは高校級だと言われていた。
それはお互い切磋琢磨して築き上げた結果。
だからこそ大事にしたいんだ。
俺って甘ちゃんかな?
だって俺達はスポーツ少年団に所属していた頃から、それぞれがその小学校のエースだったのだから。
俺は結局、何も出来ないままでいた。
そんなある日。
先生と松尾有美の継母との結婚式が身内だけで執り行われることになった。
離婚なら法律上六ヶ月待たなければならない。
でも幸い、先生の恋人は籍に入っていなかった。
だからすぐに結婚出来たのだった。
俺は陰から見守っていた。
まだ……
とてつもない何かが眠っているように思われた。
不完全な完全犯罪……
松尾有美にとっては完全犯罪でも……
俺はきっと真相を探し続ける……
俺はみずほのコンパクトを握り締めながら誓った。
みずほのコンパクトには、とてつもないパワーが秘められている。
そう思った。
そっとみずほのコンパクトに触れる。
その時、葬儀会場で大泣きしていた奴の顔が脳裏に浮かんだ。
(――そうだ俺にはもう一人、木暮悠哉って親友がいた)
俺は何となく、木暮の通っている高校へとペダルを漕いでいた。
それが次なる事件の幕開けになろうなんて、思ってもいなかったのだ。
俺はただ、みずほとの馴れ初めを知っている奴に俺の本音を聞いてもらいたかっただけだったんだ。
先生と継母を結婚させるために。
俺は有美を誤解していたのだろうか?
でも本音は別のところにあった。
サッカー部のエースと、もっと深く付き合うためだったのだ。
この学校にいれば、みんなの反感をかう。
それを身をもって体験したからだった。
有美は、したたかに生きる道を選んだのだった。
遠距離恋愛……
ではないが、みんなの目が行き届かない場所。
そこで有美は新たなスタートを切る。
彼の恋人として。
そして俺も……
転校を考えていた。
橋本翔太は、事件の真相を知らない。
自分が言った一言が、みずほを殺したことを知らない。
でも俺……
言ってしまいそうなんだ。
俺がレギュラーになれなかった訳を……
本当は悔しくて悔しくて仕方ないんだ。
だって俺……
サッカーが大好きだから。
レギュラーになって、ハットトリックを決める。
それが俺の夢だったから。
でも、橋本翔太も努力して来たんだ。
同じ街で育ち同じFCで出会い、同じ夢を見てきた。
リフティング大会で技を競い合ったこともある。
互いに負けず嫌いで、本当に良いライバルだった。
そんな奴を苦しめたくないんだ。
俺達は厨房のくせに、レベルは高校級だと言われていた。
それはお互い切磋琢磨して築き上げた結果。
だからこそ大事にしたいんだ。
俺って甘ちゃんかな?
だって俺達はスポーツ少年団に所属していた頃から、それぞれがその小学校のエースだったのだから。
俺は結局、何も出来ないままでいた。
そんなある日。
先生と松尾有美の継母との結婚式が身内だけで執り行われることになった。
離婚なら法律上六ヶ月待たなければならない。
でも幸い、先生の恋人は籍に入っていなかった。
だからすぐに結婚出来たのだった。
俺は陰から見守っていた。
まだ……
とてつもない何かが眠っているように思われた。
不完全な完全犯罪……
松尾有美にとっては完全犯罪でも……
俺はきっと真相を探し続ける……
俺はみずほのコンパクトを握り締めながら誓った。
みずほのコンパクトには、とてつもないパワーが秘められている。
そう思った。
そっとみずほのコンパクトに触れる。
その時、葬儀会場で大泣きしていた奴の顔が脳裏に浮かんだ。
(――そうだ俺にはもう一人、木暮悠哉って親友がいた)
俺は何となく、木暮の通っている高校へとペダルを漕いでいた。
それが次なる事件の幕開けになろうなんて、思ってもいなかったのだ。
俺はただ、みずほとの馴れ初めを知っている奴に俺の本音を聞いてもらいたかっただけだったんだ。