不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
ボンドー原っぱ……
勿論本名のはずがない。
(――へー原田学(はらだまなぶ)って言うんだ。
――割りとマトモ)
書類に書いた名前を見て思った。
顔を覚えているはずだ。
ついこのあいだテレビの歌番組で、売り出し中のロックグループとして紹介されたばっかだった。
(――爆裂お遊戯隊か?
――確かにすっ飛んでいたなあのグループ。
――でも驚きだ。
コイツがあんなに変わるなんて……)
爆裂お遊戯隊……
見た目は大人。
でも服装は幼稚。
ってゆうか……
それが爆裂お遊戯隊のスタイルだった。
幼稚園児と同じようなスモックに今どき流行らない半ズボン。
黄色い安全帽にお通いバッグ。
どっから見てもなんちゃって幼稚園児。
いやコスプレかな?
そんな輩が舞台狭しと暴れまくる。
いや、踊りまくるだったかな?
まーそんなとこだった。
ボンドー原っぱは其処のボーカルだったのだ。
「この頃彼女が冷たくて……、解ってます。この名前がイヤだってこと。でもやっと得たチャンスなんです」
売れない時代に支えてくれた彼女。
でもやっとデビュー出来ると思ったら、ボンドー原っぱなんてふざけた名前を付けられた。
だから彼女が怒ったらしい。
(――解る気がする。
――そりゃそうだ)
と思った。
「だからと言う訳でもないと思いますが、浮気を疑いまして……、この前も彼女につきまとう男性をストーカー呼ばわりしたって怒られたし……、ひょっとしたらその相手かも? などと勘繰りまして」
(――えっ、ストーカー!?)
ドキッとした。
さっきゴールドスカルで垣間見たデパートの従業員専用エレベーター前のスキンヘッド男性変死事件。
それと重ねて合わせたせいなのかも知れないが。
「そのストーカーって言うのが……」
何故か歯切れが悪い。
「言いたくない人か?」
叔父さん聞くとソイツは頷いた。
(――ストーカー……
――まさか同一人物が!?
――そうだよな。
目の前にいるこんなひ弱そうなヤツが木暮の兄貴の首を落とすはずがない。
――きっと同一人物なんだ)
俺は一瞬、とんでもないことを考えていた。
勿論本名のはずがない。
(――へー原田学(はらだまなぶ)って言うんだ。
――割りとマトモ)
書類に書いた名前を見て思った。
顔を覚えているはずだ。
ついこのあいだテレビの歌番組で、売り出し中のロックグループとして紹介されたばっかだった。
(――爆裂お遊戯隊か?
――確かにすっ飛んでいたなあのグループ。
――でも驚きだ。
コイツがあんなに変わるなんて……)
爆裂お遊戯隊……
見た目は大人。
でも服装は幼稚。
ってゆうか……
それが爆裂お遊戯隊のスタイルだった。
幼稚園児と同じようなスモックに今どき流行らない半ズボン。
黄色い安全帽にお通いバッグ。
どっから見てもなんちゃって幼稚園児。
いやコスプレかな?
そんな輩が舞台狭しと暴れまくる。
いや、踊りまくるだったかな?
まーそんなとこだった。
ボンドー原っぱは其処のボーカルだったのだ。
「この頃彼女が冷たくて……、解ってます。この名前がイヤだってこと。でもやっと得たチャンスなんです」
売れない時代に支えてくれた彼女。
でもやっとデビュー出来ると思ったら、ボンドー原っぱなんてふざけた名前を付けられた。
だから彼女が怒ったらしい。
(――解る気がする。
――そりゃそうだ)
と思った。
「だからと言う訳でもないと思いますが、浮気を疑いまして……、この前も彼女につきまとう男性をストーカー呼ばわりしたって怒られたし……、ひょっとしたらその相手かも? などと勘繰りまして」
(――えっ、ストーカー!?)
ドキッとした。
さっきゴールドスカルで垣間見たデパートの従業員専用エレベーター前のスキンヘッド男性変死事件。
それと重ねて合わせたせいなのかも知れないが。
「そのストーカーって言うのが……」
何故か歯切れが悪い。
「言いたくない人か?」
叔父さん聞くとソイツは頷いた。
(――ストーカー……
――まさか同一人物が!?
――そうだよな。
目の前にいるこんなひ弱そうなヤツが木暮の兄貴の首を落とすはずがない。
――きっと同一人物なんだ)
俺は一瞬、とんでもないことを考えていた。