不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
 「そのカメラを押す。そうすればさっきの映像だ」


「それも知ってる」


「ちょっと黙って聞いてよ。それでさっきの映像を表示するだろう。その後メニューを押して、移動スラッシュコピーだ。ホラ一番上にアルバムへの移動が出るだろう。これを押すとデコメピクチャーになる」

俺はそう言いながら、画像を移動しますか? の《はい》を押した。


「さあ、画像点検だ」

俺はそう言いながらスイッチを切り、又さっきの順番通りに操作してデコメピクチャーにカーソルを移動させた。


あの女性と兄貴のツーショットの横に、木暮の写真が表示された。


「これが俺が言ったアルバムな意味だよ」

俺はその時、少し得意になっていた。




 「そんな御託はいい。早くそのアルバムとかを見せろよ!」
木暮は急に怒り出した。


「あ、ごめん。まだ映像見せてなかったんだ」
俺は頭を掻きながら、携帯の画面を木暮に向けた。


木暮の兄貴はあの女性と笑っていた……。


「へー、この人が兄貴の恋人か?」

木暮が言った。


「知らなかったのか?」
俺の質問に木暮は頷いた。


その時俺はスキンヘッドの男性の携帯にあったマイクロSDの画像を撮り込んでいたことを思い出していた。


自分の携帯でその画像をアップさせた。

二つに画面を見比べる。

やはり女性は同一人物だと思われた。


俺はそれを確認のために木暮にも見せていた。




< 98 / 122 >

この作品をシェア

pagetop