外道武士

走り出る猛流。

目前に蠢くは、亡者の如き様相の『黒の者』達。

壊血病で歯という歯から血液を滴らせて斧を振り上げる者、血が滴る生肉を咀嚼しながら近づいて来る者、重度の脚気と栄養失調で目眩に似た不安定な揺らぎを見せつつ足を引き摺りながら近寄ってくる者。

その様相に、猛流は歯噛みする。

「その人達は…無念のうちに死んだんだ…家族や親しい人を想いながら死んでいったんだ…」

抜刀した刃を構えつつ、スライディングで一体の『黒の者』の股の間をすり抜けつつ両脚を切断！

立ち上がると同時に切っ先で胴体を貫く！

「貴様ら『黒の者』が、その姿を真似ていいものじゃない！」