外道武士
女性を人とも思わない。

そんな残虐で傲慢なこの男が、『黒の者』に魅入られるのは当然の結果だった。

先に述べた通り、キリスト教における七つの大罪(傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲)の感情の強い者ほど『黒の者』に魅入られ易いとされる。

『傲慢』もそのひとつ。

刑を待つ為に留置場に拘束されていた男は、その中で原因不明の死を遂げ、そのまま『黒の者』と化した。

無論死を迎えたのも、『黒の者』と化したのも、同族に誘われたが故。

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