外道武士
袈裟の胸元から片腕を出し、顎を撫でる慈空。
「つくづく男運がなかったんだなぁ、永久子…生きてるうちに俺と出逢ってりゃあ、全身隅々まで愛でてやったのによぅ…おめぇみたいないい女、何度となく気をやらせて、夢見心地のうちに失神させてやるのに」
汚らわしい。
そう言わんばかりに、永久子は目を剥く。
一歩一歩、足を引き摺るような歩み。
死後硬直なのか。
動く度に、ばきっ、びしっ、と不自然な関節の音がする。
肌の露出した箇所には、そこら中に死斑が浮かび上がっている。
その姿、まさに歩く死体。
普通の人間が見れば、狂ったように悲鳴を上げずにはいられない光景…。
「つくづく男運がなかったんだなぁ、永久子…生きてるうちに俺と出逢ってりゃあ、全身隅々まで愛でてやったのによぅ…おめぇみたいないい女、何度となく気をやらせて、夢見心地のうちに失神させてやるのに」
汚らわしい。
そう言わんばかりに、永久子は目を剥く。
一歩一歩、足を引き摺るような歩み。
死後硬直なのか。
動く度に、ばきっ、びしっ、と不自然な関節の音がする。
肌の露出した箇所には、そこら中に死斑が浮かび上がっている。
その姿、まさに歩く死体。
普通の人間が見れば、狂ったように悲鳴を上げずにはいられない光景…。