外道武士
週末、深夜の街中。

眼下を多くの一般人達が行き交う、その頭上のビルの屋上。

「ぎゃふうっ!」

茶鞘の外道武士が業火に焼かれ、その場で黒炭と化した。

「くっ…」

朱鞘、黒鞘の外道武士達が取り囲むも、手も足も出せない。

…白髪の若い男。

袖が長いジャケット状で、着用者の手を腹側にまわして袖を結び上半身の自由を奪う白の拘束衣を着用している。

一見すると囚人…しかも脱走した重犯罪者のような出で立ち。

その『黒の者』無名は、眼球に直接刻み込まれた魔方陣の紋様で無機質に外道武士達を見た。

< 125 / 150 >

この作品をシェア

pagetop