外道武士
途端に。

「うぐあぁあぁあぁっ!」

瞬時にして氷漬けにされる外道武士達。

その魔力は、手練の外道武士達を纏めて相手にしても余りある。

猛流がようやく駆けつけた時は、他の外道武士達はほぼ全滅の状態だった。

「無名…貴様…」

刀を抜き、左手の銀の指輪に刃を滑らせる猛流。

青白き禁忌の炎を纏ったその刀で、猛流は斬りかかる!

横薙ぎ、袈裟懸け、斬り下ろし!

しかし無名は拘束衣で両手が封じられた状態にもかかわらず、身軽に猛流の斬撃を回避し。

「!」

一睨みする事で氷塊を撃ち放つ!

「おぉぉぉおっ!」

斬り上げの刀で氷塊を弾く猛流。

彼もまた、無名に一歩も譲る事はなかった。

すぐに刃を返し、次なる攻撃を打ち込もうとする。

その時。

『炎が来る』

「!?」

突如聞こえてきた女の声。

猛流は踏み止まり。

「くっ!」

その言葉の通りに無名が吐き出した火球を、寸前のところで回避した。

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