外道武士
闇夜の空で爆発四散する『黒の者』。

着地した猛流が刀を鞘に納めると、身を包んでいた具足は勝手に解除され、再びどこかの空間へと戻っていった。

「……」

彼は外套の中から指令書を取り出す。

関所から受けた指令書。

先程の『黒の者』を討伐せよという指令だった。

朱鞘の外道武士を50人近く殺した強力な『黒の者』。

本来ならば、猛流の手にも余る上位の存在だった筈。

しかし彼は見事討伐した。

日々剣腕を高める彼自身と、今も憑依したままの永久子が与えてくれた具足のお陰で。

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