外道武士
異臭と、部屋を飛び交う蝿の多さに息を呑んだ。

何だ、これ…。

幾ら最近は気温が高くなってきたとはいえ、虫が湧くようなゴミの扱いはしていなかったつもりだけど…。

いつもこよりが来て片付けていてくれたから…。

そんな事を考えながら部屋の灯りをつけると。

「っっっ…」

部屋の散乱具合に心臓が止まるような思いだった。

引き裂かれたソファ、ズタズタにされた衣服、割られた食器、引っ繰り返された家具、液晶テレビにはリモコンが叩きつけられ、画面が砕け散っていた。

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