外道武士
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「そしてイカレてヨレて、世迷い出たって訳か」
その事件のあった、深夜のマンションの屋上。
猛流は刀を携え一人立つ。
目の前に呻くは男。
かつて大滝 春臣という名だった人間。
今は違う。
眼球から血を流し、口から這い出てくる無数のゴキブリにいいように全身を這いずり回られ、それでも尚、逃げなきゃ、逃げなきゃとうわ言のように繰り返す。
己を失くし、命を亡くし、それでもまだ生き永らえようとする、生き汚い『黒の者』…。
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「そしてイカレてヨレて、世迷い出たって訳か」
その事件のあった、深夜のマンションの屋上。
猛流は刀を携え一人立つ。
目の前に呻くは男。
かつて大滝 春臣という名だった人間。
今は違う。
眼球から血を流し、口から這い出てくる無数のゴキブリにいいように全身を這いずり回られ、それでも尚、逃げなきゃ、逃げなきゃとうわ言のように繰り返す。
己を失くし、命を亡くし、それでもまだ生き永らえようとする、生き汚い『黒の者』…。