外道武士
やって来た猛流を前にして、関所にいた他の外道武士や法師は騒然とする。

「得物の浄化を頼みたい」

何食わぬ顔で、己の愛刀を関所の者に差し出す猛流。

…如何に禁忌の術を施して使用するとはいえ、外道武士の扱う刀は『黒の者』を斬る事で穢れた血に塗れている。

そのまま放っておけば、刀は血によって怨念や妖気を纏い、いずれは刀そのものが『黒の者』と同化してしまう。

その為に外道武士は定期的に関所に戻り、愛刀の浄化をしなければならないのだ。

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