○○地獄
デンファレ女王は言いました。

「道化師よ！お前を私の婿とする！」


道化師だけでなく、家来までも固まりました。
女王は気にも止めず続けます。
「喜べ！私は、お前を気に入ったのだ。素晴らしく美しい顔のお前をな！妙な化粧など、するな」

家来は道化師の顔をみました。
涙で化粧がとれ、素顔になっています。
目の形、鼻の形、口の形、肌までも、全てが美しく、輝いて見えます。
「確かに、美男だ」と思いつつも、家来は何と言えば良いのか分からず言葉がでません。
道化師も、固まったままです。
女王は言いました。
「すぐに、式の準備をしろ！私は、婿を手にいれたのだ！祝福をあげよ！」

ハッとした家来は、条件反射のように「デンファレ女王！かしこまりました！」と言ってしまいました。

女王は、ご満悦の表情で道化師に言います。
「まさか、お前がそれほどまでに美男だとはな。私は愚かな判断をする所であった。何を、固まっている？」

この言葉に、道化師は慌てて喜びます。
「デ、デンファレ女王！ありがとうございます！嬉しすぎて固まっていました」

デンファレ女王は満足げに頷いています。
道化師は、力無く笑っています。
家来は、すぐに式の準備に取り掛かりました。
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