○○地獄
デンファレ女王は道化師の話しを聞き、目を輝かせました。
「道化が来ているのか!私は、一度見てみたかったのだ。他国の王達は言ってたぞ。最高に笑えるとな。さぁ、すぐに連れてまいれ」

家来は驚きました。
デンファレ女王は道化師が、嫌いだと思っていたからです。
デンファレ女王が会いたい、と言うのなら拒否する理由もありません。
それに、家来や城の者達も道化師の騒ぐ所が見たかったのです。
デンファレ女王は、
「楽しみだ!少し、退屈していた所だったからな。退屈しのぎにはなるであろう。どうせだ、城の者皆を王の間に集めろ!お前達も見て楽しめば良い」
と、ご機嫌で言いました。

家来や城の者達は、大喜びで王の間に集まりました。
道化を間近で見れるのは、高い金を払ったものくらいだったため、心が弾みました。

デンファレ女王も玉座に座り、皆の雰囲気を見て更に気分を良くしました。

「よく集まった!道化師が私に会いたいそうでな。お前達も、大いに楽しめ!」

デンファレ女王は、皆に言いました。
歓声と拍手がおこり、お祭り騒ぎです。
デンファレ女王は、ご満悦の様子で笑っています。

しかし、一人の家来は心配でした。
「デンファレ女王は、道化師のことを理解されてるのか…」
家来は、ぶんぶん頭を振り忘れるよう心掛けました。
もし、道化師を理解していなかったら…、これを考えると恐ろしくて堪らないのです。

王の間では、期待に胸を膨らませた人達が道化師の登場をまっていました。
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