say my name -キミノ スキナ ヒト-
「壱佳ちゃんは知らずに
育ってきたからね。
いとこでも、太一が
好きなんです!って。」
そこまで言うと、
この人はふっと微笑んだ。
「ムカついたから、
男どもに犯させたわ。」
「なっ……!!!!」
「でも太一はあの子のこと
いとこだから
諦めてたみたいでね。
無駄足だったわぁ。」
最低……
「息子の幸せを願うのが
母親じゃないんですか!」
「無駄口叩いてんじゃないよ。
いいわ。昴。やりなさい。
あたしは家に帰るわ。」
あたしに覆い
かぶさっていた人が、
いきなりあたしの唇に
自分の唇を押し付けた。