say my name -キミノ スキナ ヒト-
一人が舌打ちをして
どこかへ歩いて行くのを見ると、
他の男たちもそいつの
後について行き、姿をなくした。
いなくなったのを目で
見届けると、あたしは真っ先に
甘夏に駆け寄った。
「バカッ!
なんでなにもやり返さないのよ!」
涙目になって訴えると、
太一は地面にお尻をつけたまま
ボロボロな体で
あたしの頭を撫でた。
「なんか…、
カッコ悪りぃじゃん…」