大人の恋愛~背徳の行方~
螢が、ランチをしていると、真紀からの電話だった。

「もしもし」

「あっ、螢・・・ゴメンね、お昼時に!風邪、治った?」

金曜日から、真紀から連絡が入っていたのだが、無視していたが、
さすがに、昨日は、申し訳なくて、メールで、風邪をひいて
寝ているからと、連絡をした。

「あぁー、何とか大丈夫だよ。」

「良かった。あのね、住むところなんだけど、やっぱり、会社の
 近くが良いかしら?」

「否、真紀の実家の近くで良いよ。その方が、真紀も良いだろ。
 俺は、これからどんどん忙しくなるから、会社に泊まることも
 多くなるし、真紀の実家が近い方が、何かといいだろ・・・」

「そう!ありがとう。遠慮なくそうさせてもらうわね。
 ところで、螢、移動の話があるの?」

「まぁー、内示が出ている・・・・。」

「そうなの!!そうすると、今以上に忙しくなるの?」

「あぁー、多分会社によく泊まることになるよ・・・・」

「そっか・・・・わかったわ。じゃー、午後も頑張ってね!」

螢は、電話を切ると、ため息が出てしまう・・・。

確かに海外事業部への移動の話は出ている。

そして、その部は、世界が相手なので、部の隣に、仮眠室と
シャワーが付いているが、多分、自分はそこには泊まらず、
梨桜の部屋に行くことになるだろうと考えていた。

螢は、一度、梨桜と繋がってしまったら、もう梨桜の事は、
絶対に離したくなかった。

誰に何と言われようと、離すつもりはなかった。
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