大人の恋愛~背徳の行方~
一人になった梨桜は、香奈の言いたい事が、理解出来なかった。

ただ、自分は、このまま、螢の愛人になるつもりはなく、
お互いが納得するように、いつ別れを切り出そうかと考えている・・・・。

それを、『支えてくれ』と、言われても、それは無理だ・・・・

梨桜は帰ったら、本当に、今度こそ話をしようと決意した。


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3日間で、大方引っ越しも終り、最終日には、松平の行きつけの
料理屋で両家揃って、食事をした。

乾杯を済ませると、真紀の父親、忠義が、

「螢君、君は、高丘の名を継ぐのかな!?」

「はい、僕は長男ですから。小さい頃からそのつもりでしたので。」

「そうか・・・いや~、高丘家は、理君もいるから、もしだったら
 松平を継いでもらえないかと思ってな! ハハハッ・・・」

「お父さん、その話は、無理だって言ったでしょ!!」

真紀が、そう言うと

「しかしなぁー、美紀もどうなるかわからんし、出来たら螢君
 のように、優秀な人に、松平に入って貰えると、私達もご先祖様に
 顔向けが出来るんだが・・・なぁー母さん。」

「はい、高丘さん、婿は無理でしょうか?」

義也も幸子も、突然出た、婿養子の話に、呆然としていたら

「申し訳ありません。お義父さん、お義母さん、私は、やはり
 長男として、高丘の名を継ぎたいと思っております。
 どうしてもと仰るようなら、今回の結婚は、破談にして
 頂きたいと思います。」

螢が、毅然とした態度で、松平の家族の前で話した。

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