大人の恋愛~背徳の行方~
その言葉を聞いて、焦ったのが、真紀だった。

「お父さん、お母さん、私は、螢と結婚するんだから、私は高丘に
 なるんです。
 婿養子は、美紀に貰ってください」

真紀は、かなり焦りながら、そう捲し立てた。

「まぁーまぁー、真紀ちゃん、ご両親の気持ちもわかるよ。
 由緒正しい、家柄だこそ、自分たちの代で失くすのは忍びない
 んだよ・・・・。
 まぁー、松平さん、螢の事は、申し訳ありませんが、私共も
 後継ぎは、螢として育ててきました。
 確かに理も居ますが、やはり我が家も、高丘の名は失くせません。
 申し訳ありませんが、婿養子の話は、聞かなかった事で・・・・」

義也が話すと、真紀の両親も渋々と承諾した。

その後、微妙な雰囲気の中、食事を終わらせ、早々に解散した。

真紀は、螢に

「ごめんね。父があんなことを言って・・・」

「大丈夫だよ。気にしてないから」

「そぉー、良かった。螢、じゃー次の連休は、マンションに来れる?」

「あぁー、解らないな。また連絡するよ」

そう言って、螢は、真紀と別れた。

帰りの車の中でも、螢の婿養子話が話題になったが、螢も義也も
言いたいことは言ったので、とりあえず幸子も落ち着いていたが

「全く、今頃何言っているのかしら!!頭に来ちゃうわよ!!
 何が、旧将軍家よ!!」

「母さん、もう終わった話だろ!!」

そう、理が窘めた。
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