大人の恋愛~背徳の行方~
翌週、月曜日、螢が、梨桜の部屋にやって来た。

「お帰りなさい」

「ただいま。ん・・・待てよ、そっちがただいまで、俺がお帰りだな!」

「クスクスクス、そうね。ただいま!!」

「おかえり」

二人は、クスクスと笑いながら、部屋に入ると、

「螢、ご飯は?」

「うん、食べる。その前に、お帰り・・・チュッ」

「螢ったら・・・・」

螢は、梨桜の用意してくれたご飯を食べながら、

「梨桜、ゴメンな。俺は、梨桜が苦しんでいる事、気が付かなくて。
 理に叱られて、そして梨桜を解放してくれって言われたよ。
 確かに、俺は、卑怯だと思うよ。
 梨桜を縛り付けているのも、解っている。
 今までも、別れても、結局俺が我慢できなくて、また戻っての
 繰り返しだったからな・・・・
 本当に、梨桜、感謝している。
 だけど、これだけは言わせてくれ。
 本当に、誰よりも、梨桜を愛しているし、これからも変わらない。
 子供も生まれたが、それは俺の責任で家族を守って行かなくちゃ
 ならない。
 でも、梨桜、もし、梨桜がこの先、俺じゃない男を選んでも
 俺は、何も言わない。
 今度、梨桜が、俺一緒じゃない人生を歩たい時は、本当に別れよう。
 この一週間、そのことばかり考えていた。」

「・・・・・螢・・・・・・」

螢は、螢なりに、梨桜の事を考えていたのだ・・・



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